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2010年8月14日土曜日

労働関係の規律構造

 現在、水町勇一郎『労働法[第3版]』(有斐閣),2010-3-30)を読んでいる。2007年9月に出た第1版、2008年3月に出た第2版に続いて出たたものである。第1版以来、水町氏のものを読んでいる。何かしらひかれるものがあるようだ。それで、理解力はなんともいえないが『労働社会の変容と再生-フランス労働法制の歴史と理論』(有斐閣,2001)や『集団の再生-アメリカ労働法制の歴史と理論』(有斐閣,2005)も読んだ。

 この本の中で、労働関係の規律構造として「労働法の基本的な枠組み」が説明されている。これは第1版から説明されていたように思う。基本的なことなので備忘録的にメモっておく。

 ①強行法規               民法第90条
 ②労働協約(←労組法16条)
 ③就業規則(←労契法12条)
 ④労働契約
     --a.意思表示の合致      民法第91条
      b.事実たる慣習       民法第92条
      c.任意法規
      d.条理・信義則       民法第1条第2項
 
  p62以下

2010年4月29日木曜日

退職強要され不当解雇と

 やはり、おなじ大分合同新聞の記事

 労働審判和解せず
 退職強要訴訟で
 会社側棄却を求める

 大分市内の男女二人が退職を強要され不当解雇と
 福岡県内の人材派遣会社を相手に
 未払い賃金と慰謝料 約350万円の支払いを求めた訴訟
 第一回口頭弁論が2010-4-23に大分地裁で

 2008年11月に、期間従業員として働いていたが、会社から「今すぐ退職に応じれば退職金を支払う。応じなければいずれ解雇する」といわれて解雇された。

 2009年12月に、大分地裁に労働審判を申し立てたが和解が成立しなかった。
 会社側は退職の合意書に署名があるので合意退職と主張とのこと

 これはどこにでもあるような話だ。

労組結成後に雇い止め

 先週の大分合同新聞(2010-4-24)の記事。

 嘱託社員 労組結成後に雇い止め 「無効」と申し立て。

 1.2010-4-23に
 2.大分地裁日田支部に
 3.日田市内のパン製造販売会社の元嘱託社員6名が
 4.雇い止め無効による地位保全と賃金支払いを求める仮処分を申し立て
 5.5月末までに提訴する
 6.これら6人は、2月上旬に労組結成、3月7日に断交に臨んだ
 7.翌日3月8日に3月末までの雇い止めを通告された

 うーん、古典的な紛争という気がする。いまどきあるんだ。こんなのが。

2010年1月10日日曜日

「多様な働き方(在宅勤務・SOHO)を実現するための法整備」


小嶌典明「多様な働き方(在宅勤務・SOHO)を実現するための法整備」(第3章)

[1]はじめに

[2]労働基準法の適用とその限界

[3]家内労働法の適用とその限界等
 (1)家内労働の現状
 (2)家内労働法の限界等

[4]在宅勤務に求められるもの-時間に縛られない自由な働き方

(文献)
小嶌典明「労働契約法制・労働時間法制とその行方」(阪大法学56巻3号、2006)
小嶌典明「労働時間帰省、適用除外の拡大必要」(日経新聞,2005-6-3付「経済教室」)
小嶌典明「知的財産の創造と労働時間」(『企業活動における知的財産』大阪大学出版会,2006)
郷原信郎『「法令遵守」が日本を滅ぼす』(新潮新書,2007)

2009年12月29日火曜日

『働く女性のためのパート労働法早わかり』

 中経出版編集部働く女性を応援するチーム著、社会保険労務士・吉川直子監修『働く女性のためのパート労働法早わかり』(中経出版,2008-7-8)

(裏表紙)
ミニギャラリー コロー『青衣の婦人』(1874)

 三こま漫画などイラストを多用して、確かにわかりやすく編集されている。返って行政がつくるパンフレットよりもこのように文庫本にしたほうがいいのかもしれない。売り物だからそうでないと売れない。ザァーとみてうーん、これはこれは。読むというよりも見るというのかな。手許にあれば何かときにすぐに調べられる。

2009年12月20日日曜日

『解雇・退職をめぐる実務対策』

 河野順一『<労働法実務シリーズ[2]>解雇・退職をめぐる実務対策』(酒井書店,2009-4-15)を読んだ。詠みやすいが何か突っ込んで考えるようにはできていないようだ。実務のときに手元にあればとりあえず参考になるというような。目次を示すと

第Ⅰ章 解雇との解雇法理
 [1]解雇の意義
 [2]解雇の種類
 [3]解雇の意思表示
  (1)意思表示の明確性
  (2)解雇の意思表示の効力発生時期
  (3)労働者の所在が不明な場合における解雇の意思表示
 [4]法律上禁止される解雇
 [5]解雇手続きと制限
 [6]解雇自由の制限
 [7]解雇権濫用法理と判例
 [8]解雇権の濫用無効規定を「労契法」に移行
[9]解雇が無効とされる際の2つの要件
  (1)「客観的に合理的な理由を欠く場合」とは
  (2)「社会通念上相当であると認められない場合」とは
[10]立証責任
 [11]解雇の合理的理由の具体例など
 [知っておきたい重要判例]
 日本食塩製造事件
 高知放送事件
 学校法人敬愛学園事件

第Ⅱ章 普通解雇
 [1]普通解雇の意義
 [2]普通解雇の要件
 [3]解雇事由の判断のポイント
 [知っておきたい重要判例]
 京都テクノシステム事件
 東京海上火災保険事件
 セントラル警備保障事件
 三菱樹脂事件
 片山組事件
 全日空空輸事件
 日立メディコ事件
 麹町学園事件
 東谷山家事件

第Ⅲ章 整理解雇
 [1]整理解雇の意義
 [2]整理解雇の要件
  (1)人員削減の必要性
  (2)解雇回避努力
  (3)人選の妥当性
  (4)協議・説明など解雇手続きの相当性
 [3]4要件主義と「総合考慮説」
 [4]整理解雇の形態別の判断ポイント
 [知っておきたい重要判例]
 あさひ保育園事件
 北海道交通事業協同組合事件
 明治書院事件
 東洋酸素事件
 マルマン事件
 平和学園高校事件
 
第Ⅳ章 懲戒解雇
 [1]懲戒解雇の意義
 [2]制裁の種類と制限
 [3]懲戒権の根拠
 [4]懲戒と判例
 [5]6つの原則
  (1)罪刑法定主義
  (2)一事不再理の原則(二重処分の禁止)
  (3)処分不遡及の原則
  (4)処分平等の原則
  (5)処分相当性の原則
  (6)適正手続きの原則
 [6]懲戒処分の適正な手続きなど
 [7]懲戒解雇と除外認定
 [8]懲戒解雇と退職金
 [9]懲戒解雇の普通解雇への転換
 [10]懲戒解雇の可能性を告知すことの可否
 [11]懲戒解雇の形態別の判断ポイント
 [知っておきたい重要判例]
 フジ興産事件
 東京プレス工業事件
 京王自動車事件
 富士重工業事件

第Ⅴ章 退職・合意解約・辞職
 [1]退職の意思表示
 [2]退職と解雇の違い
 [3]退職の種類
 [4}退職の意思表示の撤回
 [5]退職の意思表示の瑕疵
 [6}退職金の不支給
 [7]退職勧奨と不法行為
 [8]早期退職優遇制度
 [知っておきたい重要判例]
 学校法人徳心学園(横浜高校)事件
 ネスレ日本事件
 下関商業事件
 エール・フランス事件

2009年11月17日火曜日

「ワーク・ライフ・バランスと労働時間」

原昌登 ジュリストNo.1383(2009-8-1,15)

Ⅰ はじめに
 1.WLBと労働時間の関係
 2.WLBの意義はどこにあるのか?

Ⅱ 労働時間規制の概要
 1.労基法による規制
 (1)概要
 (2)評価
 2.育児介護協業法による規制
 3.その他の規制

Ⅲ 平成20年労基法改正
 1.改正のポイント
 2.改正の意義

Ⅳ むすび

2009年11月12日木曜日

あなたたちは労働者ではない

 2009-11-10付朝日新聞に、「ゼンショーに団交命令」との記事。これは「すき家」を展開するゼンショーに対して東京都労働委員会がアルバイト店員らでつくる労組との団体交渉へ応じるように命令したとのこと。これは、残業代未払い請求に対して、「すき家」で働く人たちとは雇用契約ではなく業務委託契約だと主張して団交拒否をした。その後のことであろう。(参考 笹山尚人『人が壊れてゆく職場 自分を守るために何が必要か』光文社新書,2008 p210以下)

2009年10月20日火曜日

三菱樹脂事件についてある思い出

 河野順一『解雇・退職をめぐる実務対策』(酒井出版)を読んでいる。毎日、それこそ少しづつである。昨日は、普通解雇の知っておきたい重要判例で「三菱樹脂事件」だった。最高裁の判決がs48.12.12二審の東京高裁がs43.6.12、そして一審の東京地裁がs42.7.17である。
 二審の直後に行われた就職の面接で、この事件のことを聴かれ意見を求めらたれことを思い出す。どのようにこたえたかすっかり忘れたが...関西支社でのことであった。ゼミでの卒論のテーマについて聴かれたことが印象的であった。「確定判決後の残額請求」とは? このときはゼミの発表で頭の整理がよくできていて知らない人にもうまく説明ができた、その際にこの事件のことを聴かれたのか、その前だったかは定かではない。その後、面接での判断は、卒論のテーマの説明が明快であったからと聞く。その面接があった本町にあるかつての関西支社に先週は行く機会があった。別段何ということはないが。この事件を読むたびに面接の頃のことを思う。

2009年10月18日日曜日

『テレワークの法と政策-比較法的考察を中心に-』

森戸英幸編「テレワークの法と政策-比較法的考察を中心に-」(2007-5-18(社)日本労使関係研究協会、(財)労働問題リサーチセンター)の論文を一つづつ読み始めた。読み進めるときにそれぞれの論稿の目次を記ことで概要にかえる。

 まずは、森戸英幸「日本法の現状と課題、及びEUテレワーク協会の概要」である。

第1節 日本法の現状と課題 は
 Ⅰ 労働者性
 Ⅱ 労働時間管理
 Ⅲ 「事業」「事業場」の概念
 Ⅳ テレワークの「義務」と「権利」
 Ⅴ 職場の安全衛生と労働災害

第2節 EUテレワーク協約の概要
 Ⅰ 一般的考慮事項(前文)
 Ⅱ 定義と適用範囲
 Ⅲ 任意性
 Ⅳ 労働条件
 Ⅴ データ保護
 Ⅵ プライバシー
 Ⅶ 機器
 Ⅷ 安全衛生
 Ⅸ 労働組織
 Ⅹ 教育訓練
 ⅩⅠ 集団的権利をめぐる問題
 ⅩⅡ 実施とフォローアップ

となっている。テレワーク法を論じる枠組みの整理のようなものである。それにしてもテレワーク法を論じた文献は少ないのでありがたい。

参考文献として以下があげられている。
 森戸英幸「テレワーク・家内労働・在宅ワークの法政策」(法律時報930号,2003)
森戸英幸「What is IT?-労働法の観点から」(日本労働研究雑誌(特別号)498号,2001)
森戸英幸「わが家が一番?-情報化に伴うテレワーク・在宅就労の法的諸問題」(日本労働研究誌467号,1999)
長坂俊成「テレワークの法的性質と法的保護のあり方」(季刊労働法193号,2000)