2010年2月25日木曜日

『ルネサンスとは何であったのか』

塩野七生『ルネサンスとは何であったのか (塩野七生ルネサンス著作集)』新潮社,2001

 対話形式でルネサンスとは何かにせまる。知的興奮が静かにまきおこる。ちょっと抜書きをしてみた。これ以外に刺激を受けた。

「創造するという行為が、理解の「本道」であるからですよ。ダンテも言っています。考えているだけでは不充分で、それを口であろうとペンであろうと画筆であろうとノミであろうと、表現してはじめて「シェンツァ」(知識ないし理解)になる」p11
「教育が高等になればなるほど、既成の概念をたたきこむことのほうが多くなるという...教育のマイナス面..」p29
「肌で知っているだけでは、彼個人の知恵にはなっても他者を含めての共有財産にはならない。科学的に探求しその結果を言語を通した公のものにしてはじめて、実地に経験したことのない人でも共有が可能な知恵になるのです」p52
「出版人アルドの成功の要因は...今でもイタリックと呼ばれている書体を発明したこと。ゴシック書体を比べれば一目両全ですが、装飾性に劣っても格段によみやすい」p64
「優れた他者からの刺激を受け彼らと競い合うことが、何にもまして自らの創作行為に益する」p82
「コシモ 累進課税制度まで考え出す」p84
「コシモ..衆に秀でた学識の持ち主でもなく、深く芸術を理解した人でもなかった...広い視野の持ち主...学問芸術の助成者には、自分自身の感覚や好みや視点に執着しない、このような人のほうが向いている」p89
「初代皇帝..アウグストゥスの親友にマエケナスという人がいた....学芸の助成を「マエケナス」と言ううになった..これがフランス語になると、「メセナ」になる」p92
「文章や絵画にすることによって、考えもより明快になる」p105
「現代ローマ市は、市を表す略記号も、古代ローマそのまま「SPQR」を使っている。「元老院並びにローマ市民」を表すラテン語の「Senatus Populus Qeu Romanus」の略字」p113
「ヴェネツィア...戦争で倒れた人の遺族には...遺族年金」p168
「セルバンテス レパントの海戦に参加」p219

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