2010年10月10日日曜日

『白愁のとき』



 夏樹静子『白愁のとき』(角川書店,1992)は、52歳の造園設計家がアルツハイマー症へかからんとする物語である。痴呆について気にかかり興味をもった。『明日の記憶』につづいて何かと参考になる。

 夏樹静子は『裁判百年史ものがたり』から興味をもって読んでいる。それで手にした。精神余命。なるほど。

 物語の中では、懐かしい円通寺や詩仙堂がでてきてうれしい。特に、詩仙堂は、下宿の前にあり夜は獅子脅しの音を聞きながら休んだことも懐かしい。円通寺は二回生の頃に借景がいいというのででかけた思い出がある。また、不倫というか、恋愛というか、このあたりもなかなか読ませるものがある。小説に何か癒し感がある。出てくる女性がいいのかもしれない。しかしながらこんなふうにうまくいくのかしら。これはひがめかも。

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