2010年7月9日金曜日

『労働市場改革の経済学 正社員「保護主義」の終わり』

 八代尚弘『労働市場改革の経済学 正社員「保護主義」の終わり』(東洋経済新報社,2009-12-3)を読む。

 労働市場改革の必要性を感じる。一番の問題は、非正規社員問題である。これをじっくり考えたいと思い読んだ。以下、目次とメモである。
 
はじめに
(規制強化論の前提)
 低賃金の非正規労働者を雇用して利益をあげる大企業
 正規・非正規労働者に共通した利益を守る労働組合
  の対立構造

 長期雇用保障を前提とした労使間での基本的な利益の一致の多いことを無視

 むしろ「労・労」対立

 規制強化論では、雇用情勢の悪化の下で、それによって雇用機会がいっそう減少し、正社員になれるどころか、非正規社員の仕事も失われる

 経済社会環境の変化にもかかわらず、過去の...日本的雇用慣行を、大企業の労働組合と経営者がともに固守しようとしていることが、さまざまな雇用格差を引き起こしている要因である

序章 労・労対立-古くて新しい問題
 「政策の不作為」という失敗
 雇用の安定は法律だけでは守れない
 古くからあった「労・労対立」
 解雇リスクの身分差
 大企業の男性世帯主社員だけが公平に扱われる
 ホーク・シェアリングには労使とも消極的
 低成長への移行は何をもたらすか
 非正社員と正社員の格差是正
 派遣問題の本質とは
 日本的雇用慣行のサステナビリティ
 少子化は社会の歪みのあらわれ
 ワーク・ライフ・バランスはなぜ進まないか
 高齢者の経験を活かすために
 非正社員には不十分なセーフティ・ネット
 なぜ非正社員の声は政策に反映されなのいか
 同一労働・同一賃金を徹底せよ

第1章 なぜ今、労働市場の改革が必要なのか-環境変化への対応

第2章 非正規社員問題とは何か-同一労働・同一賃金の徹底を
第3章 派遣労働禁止では誰も救われない-派遣労働者保護法への転換を
第4章 日本的雇用慣行の光と影-低成長時代への対応
第5章 こうすれば少子化は止められる-男女双方の働き方の改革を
第6章 男女共同参画とワーク・ライフ・バランス-最大の障害は日本的雇用慣行
第7章 エイジフリー社会実現に向けて-高齢者に「中間的」な働き方を
第8章 非正規社員重視のセーフティ・ネット改革-雇用保険を医療保険型に
第9章 公共職業安定所と労働行政の改革 -労働行政も「選択と集中」を
参考文献
おわりに

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