2010年7月19日月曜日

『神学部とは何か』


 佐藤優『神学部とは何か-非キリスト教徒にとっての神学入門』(新教出版社,2009-6-10)を読んだ。キリスト教を知りたいということではない。佐藤優の最初の頃の本に、外交官としてモスクワにいたときに役立ったのは、国際政治や国際法の知識ではなく、神学の知見が実際に役立ったというようなことが書かれていて、内容はわからないが何となく学問の本質に迫るというか、一見役に立たないこともきちんと深く考えて身に着けていたら役立つのではないかと思った。つまり、何となくわかるというか。これは神学ほど深遠ではなくても法学でも、ノウハウ本よりもきちんとした体系を持った基本書とか、論文で深く考えたことが役立つというか、そんな雰囲気である。考え方をきちんとできることが実践的というのか。
 それで、まさに『神学部とは何か』という本が出たので読んだみたわけである。これで何がというとよくわからない。「人間の限界がわかると、人間社会の限界がわかる。それがわかると..人間は減額を知ると不必要な怖れを抱かなくなる」(P28以下)とか「神学的試行が今やっている仕事と直接つながらないがゆえに、常識では見えなくなっていることに気づき、それによって仕事の役に立つ..」(p171)の記述がそれをあらわしているのかもしれない。実際にきちんと考えることで、他のこともそれなりにきちんと考えることができるということなのかな。

 写真は、この本にも紹介されている西南学院の建物である。昨年訪れた。ヴォーリズの作品ということで。

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