2011年5月4日水曜日

自由で合理的な思想を持ち専門知識と教養の価値を正確に評価ができたフリードリッヒ二世のこと


 塩野七生『ルネサンスとは何か』で気になったフリードリッヒ二世を知るために、吉越英之『ルネサンスを先駆けた皇帝 シュタウフェン家のフリードリッヒ二世』(慶友社,2009)を読んだ。そして、あわせて藤沢道郎「皇帝フェデリーコの物語」(『物語イタリアの歴史』)を読んだ。

 知識、教養、先見性があり合理的精神(「知識人であらゆる学問分野に通暁し、自由で合理的な思想を持ち、専門知識と教養の価値を正確に評価できた」藤沢p93)の持ち主であり気力、体力も充実していたフリードリッヒ二世だが最後はあまり幸福ではなかったようだ。周りが合理的ではないと異端とみられていろいろな迫害を受ける。それでも異教徒とも理解しあえて、それなりの人脈ネットワークもある。それなのに.....なぜなのか。確かに、寛容の精神が欠けるところもあるようだが。

 先が見え、問題がみえるがゆえに見えない連中とのフリクションがあるのかもしれない。見えてもそれなりに周りに合わせるということもやったようだが.....

吉越英之『ルネサンスを先駆けた皇帝 シュタウフェン家のフリードリッヒ二世』の目次
 プロローグ
 一 ドイツ・イタリアの政治状況
 二 神聖ローマ帝国皇帝への道
 三 シチリア王国平定
 四 破門皇帝に率いられた十字軍
 五 立憲専制君主国家の建設
 六 息子の叛逆と二度目のドイツ遠征
 七 文化の中心地としての宮廷-学者皇帝-
 八 教皇庁との最後の戦い
 九 皇帝の最後
 エピローグ-その後ノシュゥタウフェン家-
 あとがき
 参考文献
 フリードリッヒ二世の年表
 家系図

藤沢道郎「皇帝フェデリーコの物語」(『物語イタリアの歴史』)
 皇帝フェデリーコ
 ノルマン・イタリア王国の繁栄
 新帝誕生
 ローマ帝国復興計画
 フェデリーコ皇帝の勝利
 皇太子ハインリヒの反乱
 ロンバルディーア都市連合
 ローマ侵攻と戦火の拡大
 

0 件のコメント:

コメントを投稿