2011年5月20日金曜日

「顧客志向」が視野を狭める

 今朝(2011-5-20)の朝日新聞に、沼上幹の組織の読み筋という記事があり、下請けの罠 「顧客志向」が視野を狭める というのがあった。

 いつもながら、組織戦略の考え方には沼上教授の慧眼には恐れ入る。今回は、東日本大震災によって東北地方に、大手メーカーの下請けで「不可欠な部品」を製造している会社が東北地方に多数あった。が、しかし、不可欠な部品を供給しながら大きな利益を稼ぐにはいたらなかったようだとする。

 その利用は、「その部品は不可欠であったが、そのような会社は不可欠ではなかった」、つまりその部品をつくる会社は潜在的に多数存在するので買い叩かれる(?)状況にあったとのこと。

 これは、その下請けが発注元の大手メーカーという顧客を神のように大切にする「顧客志向」と自分自身が担当する「ものづくり」という定石に従った経営をしてきたからだとする。新しい市場を探索するなどの根本から考え直す、つまり定石を疑うことがなかったからだとする。

 なるほど。さきに読んだ池井戸潤『下町ロケット』のような会社は、なかなかないのであろう。

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