2011年5月7日土曜日

自由主義と民主主義の交錯(日本国憲法における矛盾)

 憲法記念日に、憲法の本をということでだいたい大西芳雄先生のものを取り出す。思い出にひたるくらいだ。強化者の『憲法要論』、論文集の『憲法の基礎理論』、『憲法と行政争訟』である。いづれも有斐閣だ。土肥武氏の世話なったとある。

 先生の基本的な認識は、日本国憲法は、自由主義と民主主義の矛盾的併存である。「立憲的憲法の原理は、いわゆる自由主義と民主主義の混合であることがわかる。この二つの原理は同じ出発点から出ながら違った結論、場合によっては矛盾した結論に到達している。従ってそれは混合というには適当ではない。むしろ矛盾的併存といった方が適切であるかもしれない」(『憲法要論』の序 から)

 これを論じたのは「日本国憲法における矛盾」(「立命館法学」第4・5合併号)であり、『憲法の基礎理論』の冒頭に収められている。


 

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